ドラマ「元科捜研の女」第3話、
事件としては「感電死のトリック解明」なんやけど
見終わったあと残るのはスッキリよりじわ~っと切なさのほうやった…。
しかも今回は、しゅうとめ・美代子(演:かたせ梨乃さん)が来て
家の空気が一気に“家族ドラマ”に寄るんよね。
でもこのドラマ、嫁姑をギスギスの対立にせんと
ちゃんと温度を合わせていくのが上手い。
その優しさの中で
詩織の科学が“隠したかった真実”まで照らしてしまうのが…なんとも言えん回でした。
※この記事はドラマ「元科捜研の主婦」第3話のネタバレを含みます。
未視聴・未録画の方はご注意ください。
今回の主な登場人物
- 吉岡詩織(演:松本まりかさん)…元科捜研のエース。今は専業主婦やけど、事件の匂いを嗅いだら研究者スイッチ入る。
- 吉岡道彦(演:横山裕さん)…捜査一課の新米刑事。推理はまだ荒いけど、時々“核心のカン”が刺さる。
- 吉岡亮介(演:佐藤大空さん)…息子。今回も家族の空気を和らげる天才。
- 吉岡美代子(演:かたせ梨乃さん)…道彦の母。超アナログやけど、人への気遣いがちゃんとある。
【3話ゲスト】 - 矢崎敏子(演:木野花さん)…車椅子で生活していた女性。庭で感電死。
- 桝井恵一(演:大和田獏さん)…喫茶店のマスター。事件の鍵を握る。
- 矢崎ひとみ(演:映美くららさん)…敏子の義娘。同居して介護していた。
第3話はどんな回?「事故」に見せた最期と家族の距離
第3話は、事件としては“事故に見える感電死”の真相を科学で解く回。
でも芯にあるのは、犯人を叩いて終わるタイプの話やなくて、
- 誰かの「最期の選び方」
- それを手伝ってしまった人の後悔
- 残された人の「そんなの望んでない」の涙
このへんが重なって、優しいのに苦い回やったと思う。
吉岡家の嫁姑問題は?亮介がつなぐ3人の距離
亮介が熱を出してしまったが、詩織は結婚式に招待された準備、
道彦は仕事で手が離せん。
そこで吉岡家に、しゅうとめ・美代子が来ることになる。
データ主義の詩織と、超アナログの美代子。
普通の家族ドラマなら「こりゃ嫁姑バトル来るぞ…」って構えるんやけど
今回は空気が違う。
亮介が間にいるだけで、会話の角が丸くなるし、
美代子も「押し付ける」より「気遣う」寄りで入ってくる。
もちろん価値観が違う嫁姑やから
ギクシャクする瞬間はある。
でもそれが“敵意”じゃなくて、単なる生活の癖の違いとして描かれてるし
どっちかを悪者にしないのがこのドラマらしくていい。
殺人事件の概要:電気柵による感電死は事故?
一方その頃、とある住宅の庭で、家主の女性・敏子が謎の感電死。
最初は事故と思われる。
ただ、ここで引っかかるのが
「電気柵の電流って、そんな致死量になるか?」問題。
電気柵は危険ではあるけど
基本は“人や動物を驚かす”レベルの設計やし、普通なら即死は起こりにくい。
実の娘の証言や
被害者に保険金がかけられていたことから
同居していた嫁・ひとみに疑いの目が向くけど、道彦はどうしても犯人だと思えへん。
この“道彦の引っかかり”が、いつも通り地味に効いてくる。
そして詩織も、事件の詳細を聞いた瞬間、顔が変わる。
「それ、条件がおかしい」っていう科学側の違和感が走った感じ。
詩織の科学的視点|“事故”では説明できない理由
詩織は帰宅しても事件が気になって、現場へ戻る。
そこで義娘・ひとみとも出会うんよね。
ひとみも「こんな電流で人が死ぬはずがない」と感じていた。
詩織が「くわしいんですね」と知識がある話しぶりのひとみにたずねると
以前、大学で物理を教えていた才女であったことが判明。
つまり、感情だけでなく
理屈でも「変」だと思っている人が詩織以外にもいた。
詩織が科捜研へ行って検証する流れになるのも自然やった。
感電死の鍵は、「雨の日だから」とか「偶然」ではなく、
意図的に電圧が上がった痕跡があるってところ。
ここから事件は「事故」じゃなく「事件」へ寄っていく。
3話の科学トリックの核心:オーブンレンジで電圧を上げる仕組み
今回のトリック、結論から言うとこう。
- 電気柵は通常、そこまでの致死電圧にならない
- でも外部から“昇圧”したら話は別
- その昇圧に使えるのが、オーブンレンジに入ってる高圧トランス
詩織は
被害者宅のすぐ隣の喫茶店で
「オーブンレンジが使えなくなっていた日があった」ことに気づく。
さらに、防犯カメラに映り込んだ“ヘビみたいな影”。
その正体が、実は
ケーブル=外部接続の痕跡やった、という流れ。
喫茶店のマスターはしらを切り
「オーブンレンジで人を殺せるなんて聞いたことはない」
と言い返す。
だが詩織はひとこと
「実験済です。」
という。
ここが、このドラマの気持ちいいとこ。
“すごい推理!”じゃなく
“科学で確かめた結果これ”っていう冷静さで、逃げ道を潰してくる。
事件の真相:殺意ではなく“頼まれてしまった選択”
詩織に突き止められたのは、
隣の喫茶店マスター・桝井の関与。
もう真実をいうしかないと観念した桝井は
「頼まれたんです」
と静かに言う。
ここからが、この回の一番切ないところ。
敏子は前夜、桝井にこう依頼していた。
- 私が庭に出たら、スイッチを入れてほしい
- 事故に見せかけてほしい
- 最期は自分で決めたい
そんな無茶なお願いを桝井が断りきれなかったのは
桝井自身にも“過去の後悔”があったから。
数年前に桝井は妻を亡くしていた。
そのとき、妻の病気をなおすことばかり優先しすぎて
妻の望みを後回しにしてしまった。
妻は自分が望むことがなにもできないまま
病気がなおることもなく亡くなってしまう。
妻の最期に「本当は、自分で決めたかった」
と言われた痛みが残っていた。
だから敏子の同じような言葉を、願いを
拒否できなかったんやと思う。
この事件、見た目は“事故偽装の殺人”みたいに見えるのに、
中身は「選択」と「後悔」が重なって成立してしまった形で、
単純な犯人探しにできへん苦さがあった。
8. 敏子の手紙|残したかったのは保険金だけじゃない
さらに敏子は、義娘のひとみに手紙を残していた。
- 自分の寿命はそう長くない
- 自分の最期は自分で決めたい
- 自殺では保険金が下りない
- 事故死ならお金を残せる
- 世話になった嫁に恩返しがしたい
- 「あの子には自分の人生を生きてほしい」
……これ、読む側は胸が詰まる。
ひとみの反応がまたリアルで、
「私そんなこと望んでないのに…ただ最後まで一緒にいたかっただけなのに…」
って泣き崩れるの、
そらそうやで…ってなる。
敏子の“優しさ”は本物なんやろうけど、
受け取る側がそれを望んでたかは別。
優しさが一方通行になる切なさが、ここに全部詰まってた。
義母・美代子と詩織の対話:家族としての着地
事件がせつなく悲しいものだったからこそ
吉岡家の家族パートがちゃんと救いになる。
亡くなった兄の代わりをするかのように
刑事になった道彦を心配する美代子。
そんな美代子に
詩織は、道彦のことをこう伝える。
「道彦さんは、誰かに頼まれたのではなく自分で刑事になったんです。」
美代子は最初、「道彦に刑事は向いてない」と思っていた。
でも詩織の言葉を受けて、応援する方向へ笑う。
さらに美代子は、亡くなった長男・修一の手帳を
形見として渡す。
「修一の形見。詩織さんのことも応援してるからね」
って、押し付けやなく“渡し方”が優しいねん。
詩織もここで言う。
「私もこの生活、自分で選んだんです。幸せだ~って思ってます。」
この一言があるから、詩織は“主婦に閉じ込められてる人”じゃなくて、
今の生活を自分で選んだ上で、好きな科学も手放してへん人として立つ。
ここがこのドラマの好きなとこ。
ラストの違和感:修一の手帳が示す次の謎への布石
夜、道彦が修一の形見の手帳を受け取って中を見る。
そこでふと止まって、
「なんだこれ?」
って違和感を覚えるところで3話は終わる。
なにが書かれていたかはわからないが
兄・修一の死に関して
なんらかのヒントになることだったと推測される。
事件は毎回一話完結で解決するけど
ここから先は“修一の死”の謎を裏で追う線が濃くなりそう。
関西系主婦のひとこと&まとめ
第3話、科学のトリックは「なるほど~」で終われるのに、
真相の気持ちは「うわ…」って苦味や悲しみが残る回やった。
姑・敏子は、嫁に恩返ししたかった。
桝井は、断れなかった。
嫁・ひとみは、そんなの望んでなかった。
みんな悪人じゃないのに、結果だけが最悪の形になるのがつらい。
でも、その悲しさを受け止めた上で
吉岡家のほのぼのがちゃんと残るのが救いやねん。
美代子が“いい人すぎる”って言われるのも分かるけど、
このドラマって、誰かを悪者にせんでも面白くできるって証明してる感じがして好き。
そしてラストの修一手帳。
あれ、絶対また「道彦の違和感」から詩織の科学に繋がっていくやつやろ…。
次回は、事件と家族の空気がどう並走するのか、
修一の謎がどこまで前に出てくるのか、楽しみやね。
