「優しかった記憶」って
後から一番しんどい形で裏返ることあるよな…。
ラムネモンキー5話はまさにそれで
ビデオジュピターの店主=蛭田哲夫の現在に会いに行く話やのに
同時にユン(雄太)の現実(裁判と家族)が崩れていく話でもあった。
【ざっくり登場人物(第5話時点)】
※この記事では作中の呼び名で統一しています。
ユン(吉井雄太/演:反町隆史さん) …贈賄容疑で起訴され裁判を控えている。マチルダ失踪を追う中心人物。
チェン(藤巻肇/演:大森南朋さん) 映画監督。…ユンの同級生。感情が先に出るタイプ。
キンポー(菊原紀介/演:津田健次郎さん)…同級生。過去の記憶が少しずつ戻りつつある。
ハクバ(西野白馬/演:福本莉子さん)…「ガンダーラ珈琲」で働く。検索も観察も速く今の彼らの“目”。
マチルダ(宮下未散/演:木竜麻生さん) …中学時代に失踪した恩師。全員の記憶の中心。
テツ(蛭田哲夫/:生瀬勝久さん ※若い頃:藤田真澄さん)
当時「ビデオジュピター」店主。3人の記憶では“親切な兄ちゃん”。
第5話は蛭田に会う回やけど、印象に残ったのはユンの裁判やった
第5話では、ユン、チェン、キンポー、白馬の4人が
「ビデオジュピター」の店主・蛭田哲夫を訪ねる。
警察経由で身元を調べた結果
蛭田には過去に違法な出版物の制作・販売に関する処分歴があったことが分かる。
中学時代に抱いていた“親切な兄ちゃん”という記憶と、
現在の経歴が少しずつズレ始める。
さらに調査を進めると
蛭田は海外を拠点に活動し、月に一度日本に戻っていると判明する。
まさにいま日本に戻っているとの情報を得て
向かった先が「ジュピターの家」。
屋敷で再会した蛭田は
かつてのビデオ店の店主ではなく
人生の成功者として自分の経歴を語る人物になっていた。
ただ、第5話でいちばん胸に残ったのは、
メインの蛭田との再会よりもユンの裁判の場面やったんよね。
ユンの裁判──無罪を主張するか、罪を認めて終わらせるか
ユンは贈賄容疑で起訴され、
公判を控えている。
弁護団から提示された選択肢は二つ。
ひとつは無罪を主張して事実関係を争う道。
もうひとつは一部の罪を認め、執行猶予を狙いながら裁判を早期に終わらせる道。
後者を選べば実刑の可能性は低くなる。
会社への影響も抑えられる。
しかしその選択は、たとえ一部とはいえ
「罪を認める」という意味を持つ。
兄や会社は、早期解決を支持する。
グループ全体への影響を最小限に抑えるためや。
ユンは最初、無罪で争う姿勢を見せる。
けれど周囲の期待と現実の重圧の中で
徐々に気持ちは揺らいでいく。
最終的にユンは家族のことを考え
裁判を早く終わらせる方向へと傾く。
帰宅したユンに、絵美は静かに離婚届を差し出す。
「もう元には戻れない」
「私たちはとっくに終わってる」
この言葉が重すぎた。
ユンは、裁判を早く終わらせれば
“元の生活”に戻れると信じていた。
でも絵美にとっては
裁判の結果よりも前に
夫婦関係はすでに終わっていた。
裁判の選択と家庭の現実が
同じ方向を向いていなかったことがはっきりする場面やった。
蛭田の成功談は救い?それとも煽りなのか
ユン、チェン、キンポー、白馬の4人は
蛭田の拠点である「ジュピターの家」で話を聞く。
蛭田は、自らの成功体験を語る。
貧しい出発点から商売でのし上がり、
事業を拡大し、売却し、海外でさらに成功した過程を得意げに話す。
その中で蛭田は、
「ロスジェネだもんな」
「毎月通ってこい、抜け出させてやる」
とユンたちを挑発する。
白馬は
「つつましく生きて何が悪い」
と言い返す。
チェンも怒鳴る。
ユンも「あなたみたいになりたいとは思わない」と突き返す。
言い返す場面は確かに痛快やった。
ただ、蛭田の言葉には
現実社会で通用してしまいそうな説得力も混じっていた。
成功の物語は強い。
だからこそ
中学時代に抱いていた“優しい兄ちゃん”という記憶との落差がきつい。
マチルダのことを「近づいてはいけない女」という言葉の意味
また蛭田はマチルダについて
「手を引いた」
「近づいてはいけない女だった」
と語る。
しかし具体的な理由は明かさない。
ユンが食い下がると
蛭田は声を荒げてこう吐き捨てる。
「自分に聞け!勝手に何もかも忘れやがって」
つまり、マチルダのことも、あの頃のことも、
“答え”は外じゃなくて、ユンたちの頭の中にあるはずやと。
それがいいことかどうかは知らん、とまで言う。
マチルダは蛭田の説明会を手伝い、
客を集める役割を担っていたという。
人を組織化し、熱を高める場は実在していた。
ユンのいう「秘密結社」というには大げさだったかもしれない。
でも、人を巻き込み、空気を作り、影響を与える構造は確かに存在していた。
ユンの記憶は事実と歪んでいても、
完全な妄想とは言い切れない部分もあった。
次回までの布石?
- キンポーは、祥子がガスの火をつけて慌てたことで、中学当時の“火事”を思い出す
- チェンは、中学時代のビデオの中に“何か”を見つける
- 白馬は、誰かに後をつけられている気配
- ユンは、なぜかチェンの家へ向かう流れ
マチルダの線も、現在の線も、両方がじわじわ締まってくる感じで終わった。
関西系主婦のひとこと&まとめ
第5話は、蛭田という人物の現在がはっきり見えた回やった。
でも心に残ったのは、
蛭田の成功談よりもユンの裁判と離婚の場面やったなあ。
裁判を早く終わらせれば状況が整う。
そんな計算が、家庭では通用しなかった。
成功の形も、守りたいものも、人それぞれやと思う。
ユンは何を守ろうとしているのか。
蛭田は何を失って今の立場にいるのか。
マチルダはその間で何を抱えていたのか。
第5話は答えよりも問いが残る回やった。
次の展開も、ちゃんと見届けましょ。

